▲ご希望の方には郵送いたしますので、カフェまでご連絡ください。 ****************************************** >>>以下は本文です。(「Read More」をクリックすると、続きが見られます。) P2.3【 この1年半のバザールの動き 】 <お詫びとお礼> 2020年4月から6月にかけて、「公益財団法人 京都地域創造基金」を通してコロナ対策寄付を募ったところ、目標金額の200万円を上回るご支援を皆様よりいただきました。前年度、バザールカフェで働いている方々へ給与の保証をしたまま赤字を免れたことは、このご寄付なくしては できませんでした。本当にありがとうございました。
本来であれば、お一人おひとりにお礼を申し上げなければなりませんが、当時の寄付ページのシステム上、私たちにはほとんどのご寄付者のお名前を知ることができず、直接お礼をできないままになっている方々が多くいらっしゃいます。申し訳ない気持ちと、もどかしい思いでいっぱいですが、昨年度ご寄付いただいた皆様に、この場で改めてお礼を申し上げます。心から感謝いたします。 <2021年度 バザールカフェは、現時点でおよそ150万円の赤字です。> 新型コロナウイルス感染拡大以前にバザールカフェの収入を大きく占めていたのは、「特別営業売上」でした。大人数があつまる会食やお祝いのパーティー、人々がつながりを確かめ合うイベントなどです。カフェ営業は再開しているものの特別営業ができない今、話し合いや様々な工夫をもってしても、私たちの力だけでは及ばないものがあります。 誰もが自分と他者のことを大切だと思える社会に向けて、バザールカフェが活動を続けるために、どうか皆さまのお力を貸してください。 ▼クリスマス寄付募集しています(振込、クレジットOK) https://www.bazaarcafe.org/support.html <この1年半の動き> ・2020.4.12~ カフェ営業中止 休業中、感染症対策を行った上で「誰もが来られる場所」として場を開放、1日に2~7名がバザールカフェを訪れました。私たちは誰かと話をしたり一緒にごはんを食べたりすることで安心を得ていたように思います。 ・2020.6.25~ カフェ営業再開 「コロナ対策寄付」で皆様から2,110,500円のご寄付をいただきました。また、毎日の話し合いの中で「みんなで一人暮らしの会」、「サンガイ飯」などが立て続けにスタートしました。 ・2020.10.6~ 営業時間を延長 「ただ出てこられる場がある」ということ自体が大切だと実感していました。また、この場に「いつも通り」を求めてくる人や、新しい試みをする人など、色々な人に安心感や励ましを貰っていました。 ・2021.2.23~ 改修工事の為カフェ営業休止 カフェ休業中、お弁当のお持ち帰りと配達を実施しました。利用してくださる方々に励まされました。この時期に慣れないお弁当に試行錯誤したおかげで、スタッフの腕が随分あがりました! ・2021.3.30~ カフェ営業再開 お庭の奥にある作業小屋の設置と、テラスやアプローチの改修が済み、小さな竣工式をもってその完成を喜びました。助成金採択や事業受託などに向けて奔走し、他分野の方に助言や協力をいただきました。 ・2021.5.11~現在 営業時間を短縮 へいてん後の時間を使って、振り返りと、その日の気持ちを置いていく時間をとっています。例年のプログラムやイベントをオンラインに切り替えて実施するなど、着実に変化を続けています。 ****************************************** P4【「FOR」より「WITH」の関係性で 】松浦千恵 バザールカフェについてのインタビューを受けることがあります。バザールカフェを知らない人にバザールカフェの雰囲気や中身を伝えるのは至難の技です。勝手に「社会的マイノリティ」とされている人たちが集まる場みたいに思われていることもあり、「え、フツウのお客さんも来られるんですね!?」とか言われることも。そういう時は、「フツウのカフェですから」と切り返してみたり。フツウの使い方が難しいです。 私はバザールカフェと精神科クリニックでソーシャルワーカーとして働いています。地域(そこにいる人々)が人を支えるし、そこに人の営みがあるのでバザールカフェの活動を続けていくことは、バザールを必要としている人々はもちろんですが、この地域を支えることでもあると思っています。一方で地域と医療のつなぎ役も必要だと思っており、今だに医療の中でも働いています。援助職で働いていますが、ここ最近うまくいかない「ケース」にぶつかり悩んできました。なぜうまくいかないかと言うことを紐解いていくと、「あなたのために(FOR)」という支援なのです。関わる支援者は一生懸命「あなたのために」と思い、「あなたにとってこれが良い」と思うことを提案し実行していく。その先に本人と支援者の関係が崩壊していったのです。援助の専門家がする支援とは、実はとても一方的であり、ともすると暴力的なものになりかねないことを改めて感じているところです。支援は「FOR」ではなく「WITH」であるということを先輩から教えてもらい、バザールカフェを思い浮かべたのです。バザールカフェは「WITH」を大切にしている場所です。一緒に皿を洗い、一緒にご飯を食べ、一緒に悩み一緒に揺れる。そして、その関係性の中で互いが変われる余白を持てる、そういう場所だと思います。 ****************************************** P4【仲間の声 vol.9 】kumiko <招かれ導かれてバザールカフェへ > 「今日は客じゃ無いんです。ここで働かせて貰えませんか?支援もしたいですし、、、」なんて上から目線の言い方を、麗華さんにしてしまった。その場で、シェフのあさりさんを紹介してもらう。にこやかな人!2019年10月の事。それ以来、キッチンでお手伝いしている。ボランティアをしている場合じゃ無い状況だったのに。こちらの方が支えて貰うために足を運んだんだと、お手伝いし始めて気付いた。 煉瓦造りの門柱と、閂(かんぬき)のあるどっしりとした門扉。建物の裏手に回れば、フランスの田舎を思い出させる庭が広がる。ホールには温か味のある木製のテーブルや椅子。ここに集う様々なカラーの人達が醸し出す空気。全てが私を落ち着かせてくれる。 私が学生だった頃は、大学教授(アメリカ人)の住まいになっていたこの建物。いつ通っても門は閉ざされており、中は窺い知れなかった。ずうっと気になっていたこの場に、私はいる。神の招き?「いつでもどうぞ」って手を広げてくれていたバザールカフェに招かれたんだ。私はそれに応えただけ。神に導かれてお手伝いさせてもらえるようになった。個人的にはしんどい事を未だ抱えているし、今後も困難は訪れるだろう。誰もがそうである様に。でも私は大丈夫。だってバザールカフェと繋がってるもん。バザールに繋がってる人達は皆、運が強い人達。皆さん、共にひと時をご一緒させて下さってありがとう。そしてこれからも宜しく! そんな風に思える、今日この頃です。 ****************************************** P5【 烏丸今出川の桃源郷 バザールカフェ 】 賀川記念館隣保事業 天国屋カフェ オーナー 上内鏡子 (神戸イエス団教会牧師) 烏丸(からすま)今出川の大通りから一筋目西に入ったところにひっそりと佇(たたず)む洋館がある。そこには大木が植わっていて裏庭は広く、社会の喧騒(けんそう)から離れて穏(おだ)やかな空気に満たされ、静かな時間が流れているので、来店した誰もがゆっくりと過ごせる安心感を与えられる。それが、わたしにとってのバザールカフェだ。 そこに足を踏み入れる経験は、古都京都にいることを忘れて異次元(いじげん)の世界に迷い込むような感覚に捉われる。建物が協力者らによって手作りされていること、滞日外国籍の女性たちの生活を支援していること、エスニックな食事を通して多文化に触れる機会が与えられ、かつてはタイの少数民族の手による織物を取り扱うグループもあったりで、その働きは多様だ。さらには、現代社会のあらゆる困難を抱えた人たちが、各人の役割を得て自分の場を見つけておられ、カフェに来る全ての人が「バザールカフェ」を創り上げる担い手となっている。何気なく存在しているそれらの働きや事柄は、このカフェという場所を桃源郷のように思わせる。バザールカフェのファンの多くは、そのようなところに魅力を感じているのではないのだろうか。 さて、神戸で開設した「みんなの居場所 天国屋カフェ」は10年余りになるが、正直に言って当初はバザール・カフェが個人的な目標だった。(「なんと、傲慢な! 己を知れ!」と、今では言いたい) 他に類を見ないカフェの運営形態だったこともあって、振り返れば、いつも後を追っていた。ところが、いつまで経っても追いつけないので、焦(あせ)りを感じることも多かった。そんな時、ルカによる福音書14章の「『大宴会』のたとえ」に出会(でくわ)した。大宴会とは神の国のことだが、大宴会には正式な招待状を受け取っていた人たちは自分の都合を優先し出席しなかった。その代わり、無理矢理に宴会の場へ連れてこられた人たちが客となった。この聖書のメッセージで、頭をガーンと殴(なぐ)られたような衝撃を受けた。理想的な居場所を目指すカフェというのは、運営する側の思惑(おもわく)通りに作り上げることではなくて、思いもかけない人たちが集められて心地よい場所が実現すると気付かされたからだ。その時以来、天国屋カフェにはバザールカフェと違う使命が与えられていると思えるようになり、気持ちが楽になったことを覚えている。もちろん、バザールカフェのような恵まれた人材、環境、場所、支援の輪は、今でも憧れであるが。 やはりバザールカフェはいつも周囲から憧れとされ、理想と見られているのではないだろうか。そう見えるためには、多種多様な立場の意見を(時に激しく)闘わせ、互いに理解し合う努力を怠(おこた)らず、常にカフェのビジョンを共有する機会を提供し続けている運営側の計り知れない祈りと働きが存在することを、心に止留めておく必要がある。その日常の積み重ねなくして「安全で、ゆるくて、楽しい」バザールカフェはないだろう。だから、軽々しく「バサールカフェみたいなカフェをやってみたい」などとは言えない。 穏やかな空気に満たされ、静かな時間の流れるバザールカフェは、みんなの居場所だ。これからも永遠の桃源郷であってほしいと期待をかけている。 ・天国屋カフェ facebookページ < www.facebook.com/kmc.tengokuyacafe > ・賀川記念館 facebookページ < www.facebook.com/kagawakinenkan > ****************************************** P6【 顔の見える関係 】代表 マーサ メンセンディーク 現在、感染予防の観点から以前のように大勢の人がバザールカフェで集うことはまだできず、なかなかバザールカフェに足を運べない、あるいは自粛して下さっている人もいると思います。また、マスク着用が常に求められる社会となり、顔を見ることにバリアができてしまっています。人の表情がマスクで隠れてしまうことで、コミュニケーションの難しさを感じます。私は教員をしていますが、1、2年生はマスクをしている顔しか見たことがありません。時々学生がマスクを外す瞬間を目撃すると、想像していた顔と全く違うこともあります。もちろん、マスク着用の必要性は続くと思いますが、安全な環境では少しずつ外せるようになって欲しいと思っています。 バザールカフェでは当初から「顔の見える関係」を大切にしてきました。いつも顔を合わせているスタッフやボランティアの体調を気遣いながら、疲れている時は休める雰囲気をつくったり、久しぶりにバザールカフェに足を運んでくれた人の顔を見て喜んだり、人と人の交わりこそが、バザールカフェの魅力でもあります。コロナ禍でこの「顔の見える関係」が失われないための工夫が必要です。 バザールカフェでは、直接来ることができない人にも届くように、SNSやインターネットでカフェの日常の様子や情報を発信しています。また従来バザールカフェで開催されていた集会の一部はオンラインで行っています。そのおかげで参加できる人もいます。新しい方法を通して人と繋がることができるのは素晴らしいです。それでもやはり、また再び、気兼ねなく顔と顔を合わせられる日を待ち望んでいます。キリスト教ではこれからクリスマスを待つアドベント(待降節)に入ります。クリスマスの喜びを待ち望むように、この困難な時も希望を持って歩みたいと思います。 ****************************************** P6【 向き合う 】店長 小島麗華 私はバザールカフェにつながる前は色々なことから逃げてきました。「向き合う」「信じる」「受け入れる」「人とのつながり」は、自分に必要ないものだと思っていました。逃げていたというのは、自分が傷つくことから避けていたのだと思います。 私にとって必要ないと思っていたものが、いつしか必要なもの、そして大切なものに変わったのは、奇跡と言っていいくらいの大きな変化だと思います。バザールカフェにつながってからの15年は私にとって生まれ変わっての15年で、バザールカフェと共に歩んできた気がします。私と真剣に向き合ってくれる人がいたからこそ、私も向き合っていくことができたのだと思います。これからもバザールカフェで一人一人と向き合うことを大切にしていきたいと思っています。 Comments are closed.
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